Lithography of Thought

考えたこと、思ったことを綴ったLithography(石版)

ラーメン屋に1人で並んでいて「お後の2名様を先にお通ししてもよいでしょうか?」と言われた話





先日、ラーメン屋に1人で並んでいた時のことである。
30分ほど並んだであろうか、ついに行列の先頭まだ到達し、店の暖簾が目の前に広がっている。
中から店員が出てきて、私に声をかけた。

ついに中に入れる…
ようやく夕食にありつけることができる…

そう信じて疑わなかった私は、衝撃的な言葉を耳にすることになる。

「お客様は1名でしょうか?お後の2名様を先にお通ししてもよいでしょうか?」

え?どういうこと?
2人で並んでいて、先に後ろの1人客を通すならわかる。
2人がまとまって座れる場所がない場合は往々にしてあるからだ。

だが店員は1人で並んでいる私に確かにこう言った。

「お後の2名様を先にお通ししてもよいでしょうか?」




私はコンピュータの業界にいて長い。
基本的な数学/コンピュータ科学の基礎知識は身につけているつもりだ。

単位時間あたりの処理量(=店舗でいうと回転率)を重視すると、これは至極合理的だ。
もし2人が座れるテーブルなどが空いた場合、
そこに2人客を優先的に配置し、1人客は後からカウンターの空いたところに座らせるほうが良い。

CPUを順番に占有するするスレッドや、メモリに乗りたがるプログラムには、心はない。
よって、遠慮なく効率的な方法で処理するのが良いだろう。私もそれに異論はない。


ただし、行列をなす一人ひとりの客は心がある人間であり、
客からしてみれば、店の効率などどうでもよい話。

入ることができるスペースが店の中にあるにもかかわらず後回しにされたことに対して、深い憤りを覚えた。