ルメールという名の敏腕ペースメーカー
NHKマイルカップ。
前走桜花賞で1番人気に推されたものの4着に敗れたメジャーエンブレムが1番人気。2番人気は皐月賞8着のロードクエスト。
NHKマイルカップといえば、昔はシーキングザパールやエルコンドルパサーなど、クラシックとは無縁の外国産馬が活躍し「マル外ダービー」の異名もありましたが、最近はダービー・オークスを回避して参戦する馬が増えましたね。
皐月賞8着馬が2番人気とはどういうことかと突っ込みたくなりますが、牡馬と牝馬の一戦級が激突するレースとしては大変貴重かなとも思います。
さて、レースは先手を取ったメジャーエンブレムがそのまま直線で後続を突き放し、追い込んできたロードクエストを退けるという人気サイドの決着でした。
勝ちタイムは1.32.8。ダノンシャンティの脅威的なタイム(1.31.4)からすると若干物足りないが、中間の水曜に14.5mmの雨量があって少し湿りが残っていた馬場だったことを鑑みると、NHKマイルカップとしてはまずまず速いタイムではないでしょうか。
メジャーエンブレムと言えば去年の2歳女王ですが、何と言っても圧巻だったのが今年2月のクイーンカップ。
洋芝が枯れた2月の府中で1.32.5のタイムを叩きだし、2着を5馬身ぶっちぎりという驚異的なパフォーマンスで圧勝。
今回NHKマイルカップでメジャーエンブレムを本命にした多くの方々は、「クイーンカップのパフォーマンスを再現できれば」ときっと思っていたでしょう。
で、ラップタイムを比較してみました。
驚くべきことに、見事なまでにほぼ同じラップ!!
こんなことってあるんでしょうか。ルメール騎手がメジャーエンブレムの能力を見事に引き出した会心の勝利という言葉がしっくりきます。
3か月前のレースとほぼ同じラップで走らせるとは、狙ってできるものではないでしょうし、ルメール騎手の絶妙な手腕以外の何物でもありません。
ちなみに、今回のメジャーエンブレムの逃げ切りで、このレース過去5年で何と3頭が逃げ切り勝ち。
府中のマイルは逃げ切りが難しいと言われていたのも過去の話なのでしょうか。